文部科学省は「体力・運動能力調査」を行っており、現在の子供の体力や運動能力の結果を公表していますが、親世代の30年前と比べて明らかにその能力が下回っていることがわかりました。
また、昔に比べて生活が豊かになり、栄養のある食べ物が沢山食べられるようになったことから、30年前の子供と比べて体格は大きくなっている傾向にあります。
小学生 体力低下の要因
子供の体力・運動能力の低下の原因として、文部科学省は以下のポイントを指摘しています。
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①保護者をはじめとした国民の意識の中で子どもの外遊びやスポーツの重要性を軽視するなどにより、子どもに積極的に体を動かすことをさせなくなった。
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②子どもを取り巻く環境については、
・生活が便利になるなど子どもの生活全体が、日常的に体を動かすことが減少する方向に変化した。
・スポーツや外遊びに不可欠な要素である時間、空間、仲間が減少した。
・発達段階に応じた指導ができる指導者が少ない。
・学校の教員については、教員の経験不足や専任教員が少ないなどにより、楽しく運動できるような指導の工夫が不十分との指摘がある。
③偏った食事や睡眠不足など子どもの生活習慣の乱れが見られる。
身体能力の低下により、靴の紐が結べない、スキップができない子供が増加しているといいます。
自分の身体を操作できないということは、将来生活習慣病が増加し、ストレスに対する抵抗力の低下などを引き起こす可能性があるのです。
まずは、お子さんの体力・運動能力がどの程度のものなのかを把握し、大人になって自立してからも健康に過ごせるようにサポートしてあげましょう。
学校で行われている体力テストは、1999年(平成11年)に改訂され、現在は「新体力テスト」として実施されています。
現在の新体力テストでは、以下の種目が行われています。
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●握力
●上体起こし
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●長座体前屈
●反復横跳び
●20mシャトルラン
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●50m走
●立ち幅跳び
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●ソフトボール投げ
普段から運動をする習慣のある子であれば、新体力テストも難なくクリアすることができるかもしれませんが、運動しない子にとっては、結構大変なテストですよね。
せっかくテストを受けるのであれば、良い結果を出したいと思いませんか?
今回は2種目ピックアップして、記録を伸ばすコツや対策についてご紹介したいと思います。
反復横跳び
100cm間隔で平行に引かれた3本の線の中央の線をまたいで立ちます。先生の合図と同時に自分の右側にサイドステップをして、右側のラインを右足が超えるか、ラインに触れたら、次は左にサイドステップをして、中央ラインに戻ります。
その後、最初と同様のやり方で左側にサイドステップを行います。その後は、以上の繰り返しとなります。計測時間は20秒間です。
【コツ・対策】
反復横跳びは、体幹のバランスが悪いと動きが遅くなってしまう可能性があります。
体幹を使った素早い重心運動でスピードアップできるでしょう。
両サイドで足が着地する直前に反対方向に重心を移動させます。
足が着地する前に肩や頭を進行方向と反対の方向に持っていくことを意識しながらやると、体重があまりかかることなく素早く移動できるでしょう。
これを繰り返し練習してみて下さい。
20mシャトルラン
20m間隔で引かれた2本の線の一方に立ちます。
そして合図音と同時にもう一方の線へ向けて走り出し、次の合図音がなるまでに、その線を踏みます。
そして、元の線の方へ走り線を踏むということを繰り返します。
一般的に、合図はCDでピアノのドレミファソラシドの音階が流され、最後のドの時までにもう一方の線を踏んでいる必要があります。
【コツ・対策】
20mシャトルランは長距離走と同じ持久力を測る種目のため、呼吸がとても大切です。
自分に合う呼吸のパターンを見つけて意識しながら行いましょう。
序盤はペースも遅く簡単に出来そうですが、後半になるにつれ足全体が重く感じだんだんと動かなくなってしまうため、念入りに足の筋肉はほぐしておくことです。
シャトルランは1分ごとに段々ペースが速くなっていきます。最初から飛ばしているとだんだん辛くなってくるので、最初は体力温存のために抑えておきましょう。
ターンをする際に、勢いよく突っ込んでしまうとブレーキをかける力が必要になってしまい、それに必要な体力まで消耗してしまうことになりかねないので、ターンし終わったら、なるべく序盤にスピードを上げ、12.3mあたりで徐々に減速、20mラインで完全に止まって切り替えると良いでしょう。
いかがでしたでしょうか?普段なかなか行うことのない種目ですが、これが人並み以上にできるということは、体力・運動能力がある証拠です。是非チャレンジしてみましょう!