鳥取県のほぼ中央にある三徳山には、断崖絶壁に建てられたお堂があります。
鳥取の名湯 三朝温泉に面した秘境のお堂は、三徳山の投入堂といい、参拝の道のりがかなり険しいことで有名です。
また、建築美からも優れた建物で、国宝にも指定されています。
今回はこの三徳山の投入堂についてご紹介します。
投入堂とは
投入堂の正式な名称は「三徳山三佛寺」です。
いつ頃建てられたかは不明ですが、投入堂(なげいれどう)って、ちょっと変わった名前ですよね。
修験道の開祖とされている役行者が、三徳山を訪れたときに山のふもとにお堂をつくりました。
そのお堂を法力で手のひらに乗るほど小さくし、大きな声と共に断崖絶壁にある岩窟に投げ入れたことが、投入堂と呼ばれるようになった由来となっています。
参拝登山について
三徳山は修行の場所であるため、木の根や岩をよじ登るなど、険しい参拝登山となっています。
この登山では滑落の事故などが多く発生しているので、服装や靴に注意をする必要があります。
スニーカーなどでは入山の許可が下りないこともあるので、登山用の靴を準備しておくといいでしょう。
靴が理由で入山が許可されない場合には、有料のわらじに履き替えることになります。
わらじの方が危ない感じがしますが、実際にはグリップ力も強くて、参拝登山に適しているそうです。
他にも長そで長ズボンの着用や、水筒、軍手、タオルなどを準備しておくといいでしょう。
入山料は、大人800円、子ども400円となっています。
これは投入堂までの料金で、途中の本堂までだと半額の入山料となります。
受付時間は8時から15時までで、これ以降は入山できません。
また、何かあった時のためにひとりでは入山できませんので、二人以上で参拝登山をするようにしましょう。
そして記帳を済ませると、輪袈裟を手渡されます。
輪袈裟は略式の法衣となっているので、登山中は首から掛けるようにしましょう。
輪袈裟には「六根清浄」の文字があります。
六根清浄とは、人間の六根を清らかにすることで、穢れを絶って、心身ともに清らかになりたいという祈りが込められているそうです。
投入堂までの登山道は約700メートルで、1時間弱かけて登ることになります。
国宝や重要文化財が点在する登山道ですが、とにかく険しい道で気を抜くことができません。
しかし険しい道を登りきった先には素晴らしい景色が待っています。
行程が厳しいだけに感動もひとしおとなるでしょう。
いかがだったでしょうか。
気軽には参拝できない投入堂ですが、興味のある方はしっかりと準備をして参拝してみてください。